ベトナム南部視察

ベトナム南部視察 概要報告

-平成31年1月24日(木)~27日(日)-

【目的】

国際委員会(共催:ひとづくり委員会)では、海外技能実習生の人材育成状況や、昔ながらの市場から近代的スーパーマーケットへの商品流通の変革、また、ベトナムへの日系企業進出戦略について知見を深めるとともに、現地の経済団体等との交流を目的にベトナム南部(ホーチミン市)の視察を行いました。

 

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(エースコックベトナム視察時の全体写真)


【概要】

当視察では、ジェトロホーチミン事務所、在ホーチミン日本国総領事館よりベトナムの概況についてブリーフィングを行っていただき、現地事情について理解を深めました。また、技能実習生送り出し機関であるアンタイヅオンを訪問し、技能実習生の人材育成状況について視察を行い、そして、昔ながらの伝統的市場やイオンベトナムでは、所得の上昇・共働き世帯の対応・安心安全への関心の高まりで、流通がどのように変化してきているのか視察しました。さらに、ベトナムの麺市場で5割のシェアを持つ、エースコックベトナムを訪問し、日経企業進出戦略や内需の変化について知見を深め、日本人女性経営者が活躍する生鮮果物輸出業のグッドライフでは、ベトナム人の勤勉さや人件費の高騰について視察を行いました。

また、ホーチミン日本商工会議所役員との交流会を行い、ベトナム・沖縄の文化や経済状況等について情報交換を行い、また、現地の日本語を専攻するベトナム人大学生との交流会では、日本の印象や雇用に対する要望等について交流を深め、ベトナムの国柄や生活環境を知る会となりました。

 

【視察先】

(1)ベトナムの概況について・・・①ジェトロホーチミン事務所  ②在ホーチミン日本国総領事館

(2)日本へ派遣する技能実習生の人材育成の状況・・・アン タイ ヅオン(Anh Thai Duong) 技能実習生送り出し機関

(3)流通の変革について・・・①ベンタイン市場(伝統的市場)  ②イオンベトナム

(4)ベトナムへの日系企業進出戦略について・・・エースコックベトナム

(5)日本人女性経営者の活躍について・・・Good Life (生鮮果物輸出業)

(6)現地交流会・・・①ホーチミン日本商工会議所役員との夕食懇談会  ②ホーチミン市師範大学生及び卒業生との夕食交流会

 

【視察報告】

(1)ベトナムの概況について

①ジェトロホーチミン事務所(所長 滝本 浩司氏)

・人口9,400万人(日本は約1.3億人)。平均年齢30.8才(日本は46.5才)。

・ベトナム共産党一党独裁体制(ベトナム社会主義共和国)。

・ベトナムの一人当たりのGDPは2,300ドル程度(一人当たり平均年収が約23万円。

日本の1970年[昭和45年]代頃の水準)。 経済成長率は6.8%。

・冷蔵庫の普及率が6割、電子レンジが2割など家電の普及率が低い。

・ベトナム政府は外国企業誘致に熱心。土地代金、新技術、雇用創出に期待。

・ベトナムへ進出している日本企業は2,500社。台湾企業は7,000社(南部に集中)。企業進出に地域差がありベトナム中部へは少ない。

・工業、農水産品(米、エビ養殖など)の生産、小売売上高などベトナム南部が活況。

・ベトナム人は手先が器用で細かい作業が得意。まじめで勤勉。親日的。

・日本への技能実習生14万人、留学生8万人。農家など働き口がないこと等の理由によりベトナム北部の方が多い。

・日本に行った技能実習生は、行く前は「日本が好き」が9割だが、戻ると5割に低下。

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②在ホーチミン日本国総領事館(在ホーチミン日本国総領事 河上 淳一氏)

河上総領事より、ベトナム南部の経済情勢、ホーチミン市の概要、ホーチミン市周辺の高速道路、高速鉄道、工業団地等のODA案件、 ベトナムと日本との地方自治体間の交流などについてブリーフィングを受けました。

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(2)日本へ派遣する技能実習生の人材育成の状況について

アンタイヅオン 技能実習生送り出し機関(校長 佐藤 修二氏)

同校は2001年に設立され、ベトナム政府の「最優秀送り出し機関賞」を2014年から連続で受賞しており、現在は20才前後の学生、約370名が同校で教育を受けています。

全寮制で6か月間、日本語教育・技能訓練、生活指導等を行い、出国までに日本の生活、技能活動に適用できる人材を育成し、現場での専門用語に加え、意識・考え方・安全・衛生・QCサークル・チームワークを理解させ、日本語能力・スキルの向上を図っています。

日本への派遣地域の割合は、関西地方45%、東海地方41%となっています。

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(3)流通の変革について

①ベンタイン市場など(伝統的市場)

 ホーチミン最大の市場として知られるベンタイン市場では、食料品、衣料品、生活雑貨などを扱う1000以上の店が集まり、周辺の通りには屋台が並んでいます。1914年に開設され、今でも多くの市民や観光客が訪れます。

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②イオンベトナム (代表取締役社長 西峠 泰男氏)

イオンのASEAN戦略として、2014年1月にホーチミン市に1号店を出店し、現在はベトナム国内に4店舗を展開しています。ベトナムの小売業のボリュームは総額で15兆円程度、12.4%の高い成長率となっており、これをベースに今後どれだけ売り上げを伸ばすかが企業の課題として取り組んでいます。

伝統的市場と近代小売業の割合は、伝統的市場が全ベトナムで89%と主流で、残りが近代小売業となっています。一方、ホーチミン市では伝統的市場と近代小売業の割合は半々となっており、この10年でベトナムの生活も大きく変化してきていますが、まだまだ伝統的市場を利用する消費者が多いことが現状です。(伝統的市場が新鮮・近くて便利・買い易いなど)

ベトナムのトレンドは「顧客ニーズの変化」と「小売市場の激化」の2つで、イオンベトナムは、顧客ニーズの「衛生管理」、「品揃え」に応え、「グッドプライス」、「満足品質」を提供しています。

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(4)日系企業進出戦略について

エースコックベトナム(代表取締役社長 梶原 潤一氏)

1995年からベトナムで即席麺の生産・販売を開始し、高品質でおいしい「ハオハオ(Hao Hao)」という商品が大ヒットしました。人口9,400万人のベトナムでの即席めんマーケットは、年間消費量が約49億食(2016年時点)の規模にまで拡大しており、その中でエースコックベトナム社は、国内シェア50%を超える業界No.1企業に成長、世界約40ヵ国へ輸出しています。

現在はベトナム全土に11工場を持ち、生産・販売拠点を拡大し、約5,500名の現地スタッフを18名の日本人社員が管理しています。

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(5)日本人女性経営者の活躍

Good Life 生鮮果物輸出業(代表取締役社長 新村 実智氏)

新村実智社長は、神奈川県横浜市出身。幼少期をタイで過ごし、大学では教職課程を取得し、卒業後は㈱東芝の総合研究所に8年勤務。その後、高校の数学教師を経て「Good Life」共同創業のため、2011年に来越。ベトナム産ドラゴンフルーツ、バナナ、マンゴーを世界中に輸出する事業を行っています。

ベトナム南部に契約農園を持ち、収穫したフルーツはすぐ、ベトナム政府管轄の農業最先端技術指定公園内にある自社工場へ運び、洗浄後、全過程コンピューター制御による蒸熱処理装置(VHT)で消毒処理を行い、ミカンコミバエなどを殺虫しています。年間約1,500㌧のドラゴンフルーツを日本、韓国、中国、ニュージーランド等へ輸出しています。

敷地面積20,000㎡の中に第1工場(9,900㎡)、第2・第3工場(2,000㎡)を持ち、約100名(その内事務職約50名)の従業員を雇用しています。

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(6)現地の方々との交流

①ホーチミン日本商工会議所との夕食懇談会

ホーチミン日本商工会議所は、ベトナム政府へ投資・事業環境の改善等の各種提言・要望活動を行っています。

ベトナムは結社の自由が無く、日本人会が設置できないため、ホーチミン日本商工会議所が日本人学校、日本人補習校の運営、在留邦人の健康維持・安全対策、スポーツ・文化活動などへの支援を行っています。

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②ホーチミン市師範大学生及び卒業生との夕食交流会

日本の印象や、雇用に対する要望等について交流を深め、ベトナムの国柄や生活環境を知る会となりました。

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※詳細な報告書については、現在作成中です。出来上がり次第、ホームページ上に掲載いたします。

最後になりましたが、本視察においてご協力をいただきました関係者の皆様へ、この場を借りて心より御礼申し上げます。

(文責:沖縄経済同友会 事務局)