平成28年11月22日(金)14:00~15:00
会 場 : 沖縄コンベンションセンター展示棟
参加者 : 会員11名、オブザーバー9名、事務局2名他(計22名)
主 催 : 地域・経済活性化委員会
【視察趣旨】
●沖縄県では、東アジアの中心という地理的優位性を活かし、国際物流貨物ネットワークの構築・拡大を目指しています。「沖縄大交易会」は、県産品の販路拡大に向けた商品の高付加価値化や海外向け販売力強化を目的に開催され、沖縄国際ハブ機能活用促進に向けた様々な施策を積極的に展開しております。
●沖縄経済同友会では、プレ交易会より視察を重ね、沖縄国際ハブ機能活用促進に向けた施策について理解を深めることを目的に、調査・研究を進めております。今回は、大会運営会社である(株)沖縄コングレ様、(公社)沖縄県産業振興公社様のご協力の下、「第3回沖縄大交易会」視察を行いました。
【(公社)沖縄県産業振興公社の金良事務局長へ御説明を頂きました。】
【説明概要】説明者:金良 実 氏(沖縄県産業振興公社 事務局長)
●今年度は、全国41都道府県より、サプライヤーが261社参加しています。昨年は200社でしたので、大幅に増えています。展示棟だけでは収まらず、会議棟へ第2会場(40ブース)、併催のジェトロ(バイヤー6ブース)が商談会を開催しています。それらを合計して261社になります。
●バイヤーは15ヶ国・地域より201社が参加しています。多い順に、シンガポールと台湾が各21社、香港20社、中国が18社になります。
●商談ブースについて、フリー商談時には、前に商品を出してPRし、個別商談時は奥商品を配列出来るようにしています。
●通訳やバイヤーガイド(案内役)を用意しています。また、県内のサプライヤーには、金融機関や県の産業支援機関等の職員を相談パートナーとして付けています。
●展示会場の2階には、支援機関の相談ブースを設け、商社や地区税関等の職員が常時待機し、相談できる体制を作っています。
●1回の商談時間は30分です。間に15分の休憩をはさみ、午前3商談、午後4商談の1日7商談、2日間で計14商談行います。加えて、フリー商談の時間を設けています。個別商談が出来ない場合も、フリー商談の時間で、商談出来る機会を設けています。商談スケジュールについては、事前にマッチングサイトを活用して、事務局でプログラムを組んでいます。
●開催にあたり、全国6カ所、県内5カ所で説明会を開催しました。その甲斐もあり、これだけのサプライヤーにご参加頂けていると感じています。
●与那原に新しいMICE施設が出来ると、コンベンションセンターの16倍の広さになります。今後はそちらで開催することになると思います。しかし、直ぐに、個別商談会の規模を16倍にするのは厳しいと考えています。ですから、例えば、食品関係設備や食器等の見本市等を併催する等、色々な工夫を考えないといけないと感じています。
【質疑応答】
○昨年の実績について教えて下さい?
●成約率(見込み含む)は24.3%です。まだ継続して調査しているものもありますので、実際はもっと跳ね上がると思います。一般的に、商談会の成約率は、7~8%と言われておりますので、それと比較すると3倍強の実績があります。事前にマッチングサイトでやり取りが出来るようになっており、そこでより成約可能性の高い商品を組み合わせて、商談をセッティングしています。
○運営スタッフ人数と事業費について教えて下さい?
●今回からは、沖縄県産業振興公社内に事務局を設置し、専門業者と連携して運営しています。実際に産業振興公社から関わっている人数は5名です。業者の方を含めると十数名規模になります。予算は1億2千万円で、会費収入もありますが、県からの補助も得て運営しています。
○商談の組み合わせはどのように行っていますか?
●マッチングサイトを活用し、より成約可能性の高いものから事務局で決めています。今回、サプライヤーは261社出展していますが、実際は300社以上の申込がありました。会場の制約もあり、まだ海外輸出するには早いと判断した会社等については、辞退して頂いたケースもあります。同様に、バイヤーについても、お断りさせて頂いたケースがあります。
○参加者は、リピーターの方が多いのですか?
●バイヤー、サプライヤー共にリピーターの割合が高くなっています。アンケートの結果でも、バイヤー、サプライヤーともに9割超の方が、次回も参加したいとお答え頂いているのですが、新規の方にもご参加頂きたいので、こちらについても、事務局で見極めて選定しています。
○会場の制約が無くなれば、もっと規模を拡大出来るのでしょうか?
●今後は、食品のみならず、色々な分野にも広げて行きたいとも考えていますが、あまりに拡大しすぎても、成約率が落ちてしまいます。商談が成約してはじめてお金が落ちますので、成果が獲得出来る商談会として、質の維持も考えています。現在、国内外の全てのバイヤーについては、旅費をこちらで助成して来て頂いている状況です。今後は、助成をしなくても来て頂ける魅力を作りたいと思っています。サプライヤーについては、金融機関や都道府県の支援を受けているところもあるようです。例えば、三重県では、特産品を沖縄ハブ経由で海外展開を図る場合は、沖縄までの物流費の半分を県が支援しているようです。
<メインの展示棟にて、説明を頂いた後、会議棟Aに移動し、第2会場やPR会場、バックヤード設備の他、沖縄国際ハブクラスターと沖縄総合事務局が主催となり、併催している「Japan Sweets Selection 2016」を視察しました。>
【PRブース】
●PRブースでは、ANACargoや沖縄ヤマト運輸等の物流関係のブースの他、沖縄県酒造組合、(株)新垣通商等のブース、また、徳島県は徳島銀行等と共にブースを構え、地元特産品をPRしていました。
【バックヤード】
●外に大型テントを設置し、バイヤー休憩室を設けています。また、冷凍・冷蔵コンテナを用いた貯蔵スペースの他、簡易調理スペースも作られていました。
希望者は会場のブース中に電気を引いて、電子レンジやホットプレート等を使うことも出来るようになっています。
【併催:Japan Sweets Selection 2016】
●全国からスイーツを一堂に集めたスイーツブッフェ形式の展示会が開催されておりました。ほぼ全ての商品が試食出来るようになっており、地域商社と連携した、商談会(見本市)が開催されていました。
●最後に、本視察にご協力頂きました、(株)沖縄コングレ様、(公社)沖縄県産業振興公社様には大変お世話になり、誠にありがとうございました。この場を借りまして御礼申し上げます。
沖縄経済同友会会員・事務局一同