1. 目的および概要:
令和6年度に開催した第2回地域・経済活性化委員会において、仙台市の地元企業である㈱深松組・代表取締役社長の深松 努 氏(仙台経済同友会 副代表幹事)より、企業の立場から東日本大震災後の復興についてご講演をいただいた。今回、そのご講演内容を踏まえ、東日本大震災からの復興状況を現地で学ぶとともに、地域がいかに再生と社会創造の視点を持ち、持続的な発展へ向けて歩んできたのかを理解することを目的とした「仙台視察」を実施した。
2. 期間:2026年3月11日(水)~13日(金)
3.参加者 : 11名

4.視察行程

5.視察先
①女川町視察
震災後の防災・復興を踏まえたまちづくりを学ぶため女川町へ訪問。特定非営利活動法人アスヘノキボウの丹野真人氏より、女川町の震災前後の状況および復興まちづくりについて説明を受けた後、まちなか交流館を起点に中心市街地や「シーパルピア女川」、津波到達地点が残されている病院、防潮堤と一体となった街づくりを現地視察した。震災の甚大な被害を踏まえ、防災機能と賑わい創出を両立させたコンパクトな都市構造が形成され、防潮堤に頼るのみならず、居住や市街地、公園・漁港施設エリアに区分けした街全体で防災機能を担保するまちづくりは示唆に富む内容であった。今後のまちづくりにおいて重要な視点であると認識した。




②アクアイグニス仙台
東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市沿岸部に整備された複合施設「アクアイグニス仙台」を訪問し、株式会社深松組 代表取締役社長の深松努氏より、震災前後の地域状況や同社の復興への関わり、施設運営について説明を受けた。同施設は、単なる観光施設にとどまらず、交流・賑わいの創出を通じて地域の再生を牽引する拠点として機能しており、民間主導による復興モデルの有効性を実感した。地域資源を活用しながら持続的な集客を実現する取り組みは、復興後の地域活性化における重要な示唆を得るものであった。




③沖縄・仙台経済同友会との交流会
一般社団法人仙台経済同友会の小林代表幹事、西井代表幹事、菅原代表幹事をはじめ、大山終身幹事、須佐特別会員、佐藤副代表幹事、深松副代表幹事ほか会員の皆様にご参加いただき、交流会を実施した。本交流を通じて、地域を牽引する経済人同士のネットワーク構築の重要性を再認識するとともに、今後の連携の可能性を含め、継続的な関係構築の必要性を強く感じた。

④震災遺構 仙台市立荒浜小学校
震災遺構である仙台市立荒浜小学校を訪問し、震災当時の同校校長であった川村孝男氏より、震災前の地域の状況から発災時の校内の様子、避難行動、救助に至るまでの経緯について説明を受けた。実際の現場を見学しながらの説明により、当時の緊迫した状況とともに、適切な防災訓練実施の重要性や、発災時における児童や地域住民の命を守るための迅速かつ的確な判断の大切さを強く実感した。また、震災の記憶と教訓を風化させることなく後世へ伝承していくことの必要性について、深い示唆を得た。




⑤仙台スタートアップスタジオ
仙台市のスタートアップ支援施策およびエコシステム形成に向けた取り組みについて、仙台市経済局イノベーション推進部部長 髙橋勝美氏、スタートアップ支援課 拠点形成係長 白川裕也氏より説明を受けるとともに、仙台スタートアップスタジオが開設されている支援拠点「YUI NOS」を見学した。東北大学の研究シーズを活用した起業支援や、社会起業家との連携、東北6県を視野に入れた広域的なエコシステム形成など、地域特性を活かした戦略的な取り組みが展開されている点が印象的であった。また、学生・若者の挑戦を後押しする人材育成施策や、「グローバルスタートアップ都市・仙台」を掲げたグローバル志向の取り組みは、地域発のイノベーション創出に向けた重要な示唆を得るものであった。本視察で得られた知見は、沖縄におけるスタートアップ支援および地域経済活性化の推進において大いに参考となるものである。




今回の視察では、震災復興を契機とした防災と地域活性化の両立、民間主導のまちづくり、さらにはスタートアップ支援や産学官連携の取り組みなど、多様な先進事例について理解を深めることができた。また、震災遺構の視察を通じて、防災意識の重要性と教訓の継承の必要性を再認識するとともに、仙台経済同友会との交流により、地域間連携の可能性についても有意義な示唆を得た。
これらの学びは、沖縄における地域経済の活性化や今後の施策検討において大いに参考となるものである。
最後に、本視察にあたりご協力いただいた関係者の皆様に、厚く御礼申し上げる。
