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那覇港湾視察

【平成27年2月23日(月)PM2:00〜PM5:30】

会場   :那覇港管理組合港湾施設(那覇港国際コンテナターミナル 等)

参加者  :金城克也 副代表幹事、稲嶺有晃 委員長、他会員40名 (視察参加者名簿

主催     :国際委員会

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(波の上うみそら公園から新港埠頭地区を望む)

1.目的

国際委員会では、那覇空港・那覇港を基軸とする国際物流拠点の形成および第3のリーディング産業と期待される臨空・臨港型産業についてより踏み込んだ調査・研究をすることを目的として、那覇港湾の視察を行いました。

那覇港管理組合さまのご協力のもと、3、4基目のガントリークレーンが設置されたばかりの那覇港国際コンテナターミナルや、クルーズオブザイヤー2014特別賞を受賞した那覇クルーズターミナルを視察させて頂きました。

2.視察スケジュール

14:00    那覇港管理組合 議場にて施設概要説明

15:00    那覇港湾内施設 視察(貸切バスにて移動)

①波の上うみそら公園

②那覇クルーズターミナル

③那覇港国際コンテナターミナル

17:00    解散

3.視察資料

那覇港管理組合の概要

那覇港管理組合の取り組み(物流)平成27年2月

那覇港管理組合の取り組み(クルーズ)平成27年2月

※容量の都合上、分割・圧縮しており一部見えづらい部分があることをご容赦下さい。

【那覇港管理組合による概要説明】

4.開会挨拶

(那覇港管理組合 総務部長 上江洲 喜紀さま)

・本日は視察にお越し頂きありがとうございます。波の上うみそら公園、那覇クルーズターミナル、那覇港国際コンテナターミナルを視察されると伺っています。那覇港湾を代表する3施設を一体となってご覧いただき、今後の港湾機能活用・発展に向けた情報提供の一助となれば幸いです。

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(上江洲総務部長に歓迎の挨拶を頂きました)

 

5.那覇港管理組合の概要(視察資料①参照)

(那覇港管理組合 総務部総務課 主幹兼総務係長 入福浜英幸さま)

・本組合は那覇港湾を一体的に有効活用するために、那覇市と浦添市が設立準備を進め、その後、沖縄県を加え、「特別地方公共団体」の「一部事務組合」という組織形態で、平成14年4月1日より港湾管理業務を行っています。

・三者が一体となって管理するようになった経緯としては、以前は那覇港の那覇区域を那覇市、浦添区域を浦添市などと分離分割の方針で管理を進めていたのですが、県民の財産である那覇港湾の機能を効率的に発揮する為に、那覇埠頭、泊埠頭、新港埠頭及び浦添埠頭を広域 的に一体管理する目的で、 国の指導もあり、一部事務組合を設立するに至りました。

・運営は、岸壁使用料・荷受料などの港湾収入、及び各自治体からの負担金で主に賄われています。職員も全て各自治体からの出向者で構成されております。負担金・職員共に県・那覇・浦添は6:3:1の割合です。人口、県民所得、港湾利用企業数の割合が概ね6:3:1になっていることが根拠です。予算審議などを行う議会もあり、ほぼ同等の県議5人、那覇市議3人、浦添市議2人となっております。

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(入福浜さまによる概要説明)                    (会場の那覇港管理組合議場は満員)

 

6.那覇港管理組合の取り組み(視察資料②、③参照)

(那覇港管理組合 企画建設部 企画室長 松島 良成さま)

那覇港の主な機能として、物流(新港埠頭、浦添埠頭)と人流・クルーズ(那覇埠頭、泊埠頭)機能の二つがあります。

(1)物流について

・県内主要港湾6港に占める那覇港の取り扱い貨物量(公共貨物)の割合は、内国貿易が7割、外国貿易が9割であり、県内の主要物流港湾として位置づけられています。外貿・内貿コンテナの総取扱量は2013年現在、国内8位(うち外貿15位、内貿3位)です。

①那覇港湾物流の課題:「片荷問題」

・島嶼県ならではの課題かと思いますが、2013年度時点で外貿コンテナの輸出約5割は空コンテナで、内貿コンテナも輸出約9割は空コンテナです。この状態では輸送コストが非常に高くなり、高コスト構造の原因になります。課題解決の為那覇港管理組合では外貿貨物増大の取り組みを強化しています。

②外貿貨物増大の取組

・ソフト事業として「那覇港輸出貨物増大促進事業」の社会実験を行い、県産品等の輸出を応援しています。具体的には県内荷主等を対象に那覇港から出荷されるアジア向け県産品等の輸出促進を図る為、前年度を上回る実績に対し、事務局負担金(支援金)を付与します。ハード事業としては、後ほど視察予定の総合物流センター整備事業や、ガントリークレーン増設等整備事業による貨物増・物流効率化を図ります。これら、ソフト・ハード事業の相乗効果により物流コスト低減や雇用の創出を図り、長期的には国際物流拠点としての那覇港湾の競争力強化を目指しています。

③那覇港総合物流センターについて

・先述したハード事業の一つである「那覇総合物流センター」は、東アジアと日本の物流結節拠点(クロスドッグポイント)を目指しています。沖縄県産品や海外・本土からの部品・原材料を調達し、流通加工して国内外へ出荷するロジステック・ハブをイメージしています。メイドインジャパンブランド製品による販路拡大や従来型物流機能の高度化を図る企業を集積する為の各種優遇制度や、高機能で大規模(第Ⅰ期〜第Ⅲ期合計8.6ha)な総合物流センターを順次建設予定です。

 

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(松島さまによる取り組み説明)                   (金城副代表幹事よりお礼の挨拶)

(2)クルーズについて

・那覇クルーズターミナルの特徴として、「市街地・観光資源に近い」ということが挙げられます。時間が限られたクルーズ観光客にとっては魅力的な要素です。2014年の入港客数は117,272人です。この人数には船員は含まれていませんのでおおよそ1.5倍の人数が来沖したことになります。加えて、同年寄港実績は80回と横浜、博多、神戸に次いで国内4位、同じく外国船寄港実績も博多、長崎、石垣に次いで国内4位と、2014年の那覇クルーズターミナルの供給開始以降急増しています。2015年にはボーディングブリッジが使用開始予定であり、更なる受入体制強化が進みます。

①那覇港クルーズ船バースの課題

・クルーズ船の大型化、来航頻度の増加に伴い、バースの延長(南側65m 2015年9月、北側65m 2017年9月完成予定)及び第二バースの増設が予定されています。更にターミナル側の問題として、13万トン級のクルーズ船来航時には大型バスが100台必要ですが、今は50台分しか駐車スペースが無く、バース延長に伴い駐車スペースも増設されます。

②那覇港のおもてなし

・その他ターミナル活用策として、近隣ダイビングスポットとしての波の上うみそら公園への誘客や、出入港時のセレモニー、ホールでの音楽ライブ、物販活動等が挙げられます。年間約80日しか来航しない為、空き時間の有効活用とCIQ(税関・出入国管理・検疫)機能とのバランスの取れた活用が求められています。

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(活用が期待される波の上うみそら公園 客船バースから1.5kmと近接しており、シュノーケルやスキューバダイビング、バーベキュー、美しい夕日が楽しめます。)

 

7.主な意見交換・質疑応答

Q1:波の上うみそら公園はダイビングが出来る程の環境があるのでしょうか。

A1:水深が約5mあり、初心者向けにはちょうどいい環境で、サンゴ・熱帯魚等の海洋生物も豊富とのことです。

Q2:第2クルーズターミナルの増設予定地はどこでしょうか。

A2:まだ、確定はしていません。市街地に近いという那覇港の魅力を活かした泊埠頭などが適地にあげれらます。

Q3:外貿貨物増大の取組ソフト事業として、社会実験的に香港向け輸出を行っているようです。今後民間独自での事業化の可能性はいかがでしょうか。

A3:香港向けへ採算ベースでは50TEU(20フィートコンテナ50個分)の貨物が必要で、民間独自では荷が無く、現状厳しいと思われます。琉球海運のRORO船のような台湾航路を活用した東南アジア向け輸出航路の充実も期待されます。

Q4:片荷問題を解消する為に、より深刻な内貿から取り組んだ方がよいのでは?

A4:支援できる、手の付けやすい外貿から取り組んでいます。今後は内貿も、連携させて取り組む必要があります。

Q5:クルーズターミナルでの物販等、施設活用状況の見通しはいかがでしょうか。

A5:クルーズ客の購買力が高い為、物販をさせてほしいという問合せは多いです。しかし、施設の目的としてCIQをスムーズに行いクルーズ客を少しでも早く入国させることを最優先しています。当組合としても、試験的に物販等を取り入れていきたいと考えていますので、ご意見あれば頂けると大変参考になります。

 

8.視察

(1)波の上うみそら公園

・波の上うみそら公園は、イベントエリアや大型駐車場、売店を併設し、波の上ビーチも近隣にあります。視察時はダイビングを楽しむ観光客がいました。海遊びの記念に専用ポストカードが投函可能な「海ポスト」(右下写真オレンジのポスト)もあり、海中から郵便を出すというユニークな体験もできます。

・視察参加者からは、「クルーズ船から大変近く、気軽に遊べそう」、「思っていたより、寂しい感じなのでもう少々賑いを演出した方がよいのでは」等の意見がありました。

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(うみそら公園周辺図をもとに概要説明)             (ダイビングを楽しむ観光客。海のポストは干潮で陸上に・・)

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(那覇港湾を専用バスにて移動)                  (事故による交通渋滞で予定を1時間以上延長)

 

(2)那覇クルーズターミナル

・視察時はタイミングよく8万トン級のクルーズ船が来航。バース一杯に接岸する様子に、クルーズ船の大型化、ターミナルの手狭さを実感しました。

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(左上:8万トン級クルーズ船)

(右上:クルーズ客は2階でCIQを終え、1階へ降りると観光案内所にておもてなし。バス・タクシー乗り場もあり)

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(左上:広いように見えますが、バスの駐車スペースが足りないとのこと)

(右上:ターミナル内2階の様子。CIQ優先とのことで、広く明るい印象でした)

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(左上:間近で見るクルーズ船はビルのようでした。停泊中に様々なメンテナンスも行うとのこと)

(右上:クルーズターミナル外観。中央右に見えるのが近日使用予定のボーディングブリッジ)

(3)那覇港国際コンテナターミナル

関係者以外立ち入ることのできない、新港埠頭地区のガントリークレーンの真下まで案内して頂きました。遠くからしか眺める機会のないガントリークレーンが4機並ぶ姿は壮観でした。1・2号機は型式が古く、今後メンテナンス費用がかさむため、新しく作業効率の良い3・4号機をメインに使っていく予定。ガントリークレーンは那覇港管理組合の所有で、公設民営で運営しているとのこと。

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(真下から眺めるガントリークレーン)              (上写真左手に見えるレールを移動しながら作業します)

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(1.2号機)                               (3.4号機)

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(4号機の操縦席部分)                       (ターミナル内では特殊車両が多くみられました)

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(国際貨物の岸壁。縁石の向こう側は海)            (国際コンテナ貨物が奥に積まれています)

9.最後に

・お忙しい中、那覇港湾3施設を案内頂いた那覇港管理組合及び関係者の皆様、誠にありがとうございました。ブリーフィング直後に視察することで、那覇港湾の現状及び、那覇港を基軸とする国際物流拠点の形成へむけた課題について理解を深めることができました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

 

 

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